LYD
はじめに
ようこそ。この度はディナウディオのパーソナルリファレンスモニターをお買い上げいただき、誠にありがとうございました。それぞれのスピーカーはきわめて厳しい品質水準を満たすよう、デンマークでディナウディオにより組み立てられています。スピーカーは、モニタリングシステムの一部でしかありません。スピーカーは、室内でどのようにそれを配置するかとの兼ね合いにより、正確なサウンドの再生を可能にする再生システムを実現します。
このマニュアルには、ディナウディオのスピーカーから最大限のパフォーマンスを引き出すための、スピーカーとリスナーの最適な配置方法に関する情報が記載されています。スピーカーが適切に設定され、リヤパネルが最適な状態に設定されていると、ミックスはホームシアター、カーステレオやヘッドフォンを含む他の再生システムにより効果的に伝送されます。
必要なもの
- 巻き尺
- 白の糸
- マーカー
オプション
- iOS デバイス向け Dynaudio Meter アプリ
Dynaudio Meter アプリ
ディナウディオでは、ピンクノイズのソース、SPL メーター、RTA スペクトラム・アナライザを含む iOS アプリを作成しました。このアプリは、リスニングルームのスピーカーシステムの配置とキャリブレーションを支援するためにデザインしたものです。
その他のリソース
弊社ウェブサイトもご覧ください
次のような追加情報があります。
- ディナウディオ製品に関する質問や回答、技術情報
- ディナウディオのイベントや最新情報
安全上重要な注意事項
等辺三角形に括られた矢印付きの落雷マークは、接触すると感電の恐れがある、危険な高電圧の絶縁されていない部品が機器内部に配置されていることを示します。
等辺三角形に括られた「!」サインは、機器を操作またはサービス作業を実施するうえで重要となる指示が、製品に付属の文書類に記載されていることを示します。
- 本書をしっかりとお読みください。
- 注意事項の書類は手の届くところに保管しておいてください。
- 全ての警告に従ってください。
- 全ての指示に従ってください。
- 本機器を水の近くで使用しないでください。
- 掃除には、乾いた布のみを使用してください。
- 製造者の指示に従って設置してください。
- ラジエーター、暖房送風口、ストーブをはじめ、熱を発生する機器(アンプを含む)の近くに設置しないでください。
- 有極プラグやアース付きプラグは安全性を確保するための構造です。無効にしないでください。有極プラグは、二本のブレードのうち、一方が幅広になっています。アース付きプラグは、二本のブレードと、一本の接地ピンが付いています。幅広のブレードおよび接地ピンは、ユーザーの安全を守るためのものです。製品に付属するプラグがコンセントの差し込み口に合わない場合は、電気工事事業者に相談し、古いコンセントを新しいものと交換してください。
- 電源コードは、特に差し込み部分、延長コード、機器から出ている部分において、人に踏まれたりはさまれたりしないように保護してください。
- アクセサリーや装着器具は、メーカー指定のもののみをご使用ください。
カート、スタンド、三脚、ブラケット、テーブルは、製造者指定のもののみを使用してください。カートを使用する際には、カートと荷物の移動による転倒や荷物の落下による事故にご注意ください。
- 雷雨の発生中または長期間使用しない場合は、本機器のプラグをコンセントから抜いてください。
- 保守整備は、必ず資格を持ったサービス技師にご依頼ください。電源コードやプラグの損傷、機器に液体がかかったまたは異物が入り込んだ場合、機器が雨や湿気にさらされた場合、正常に動作しない場合、機器を落とした場合など、機器が何らかの状態で損傷した場合には保守整備が必要です。
警告:
火災や感電の危険性を減らすために、水が垂れたり跳ねる環境で保管·使用は避け、花瓶等、液体の入った物を機器の上に置かないでください。
必ずアースを正しく接続してください。
製品に同梱されているものと同様の、アース付3芯の電源コードを使用してください。
適切な電源コードとプラグ形状・動作電圧は地域によって異なります。
地域の安全規制に必ず従ってください。本装置用に工場出荷時に設定された電源要件 (モニター背面のラベルを参照してください) が、本装置をお使いになる地域の電源に対応していることを確認してください。
本装置は、電源コードの抜き差しが容易に行える、コンセントの近くに設置してください。
本装置を商用電源側から完全に絶縁するには、電源コードをコンセントから外してください。
パワーサプライの電源プラグは容易に抜き差しができる様にしてください。
閉じられた空間に設置しないでください。
本体を開けないでください。感電の恐れがあります。
注意:
本マニュアルに明示されていない本体の変更・改造を行った場合、本機器を操作する資格を失うことがあります。
保守整備(サービス):
内部にユーザーがサービス作業を実施できる部品はありません。
保守整備は、必ず資格のある作業担当者が実施してください。
廃棄
使用済みの電気・電子機器の廃棄 (この種の機器に対し異なる回収制度を採用している欧州諸国に適用)。
本製品またはその梱包材に記されたこの記号は、本製品を家庭廃棄物として扱ってはならないことを示しています。その代わりに、本製品は電気・電子機器のリサイクリングのため、該当する回収場所で回収してもらう必要があります。本製品が正しく廃棄されるよう徹底することは、環境や人の健康に対する潜在的な悪影響を防止するのに役立ちます。材料のリサイクルは天然資源の節約に役立ちます。本製品のリサイクルに関する詳細については、地方自治体、地域の廃棄物処理当局、または本製品を購入された店舗にお問い合わせください。
EMC/EMI
本機器は FCC 規準 Part 15 に準ずる Class B デジタル機器の制限事項に適合するための試験に合格しています。
これらの制限事項は、居住地域での設置時に生じうる有害な電波障害を規制するために制定されたものです。本機器は無線周波エネルギーを生成・使用しており、これを放射することがあります。指示に従った設置と使用を行わないと、無線通信に障害を及ぼす可能性があります。しかしながら、特定の設置状況において電波干渉を起こさないという保証はありません。本機器がラジオやテレビの受信に障害を与えていないかを判断するには、本機器の電源を立ち下げてから再度立ち上げてください。障害を及ぼすことがわかった場合、次の方法で干渉の解消を試みることを推奨します。
受信アンテナの向き、設置場所を変更する
本機器と受信機の距離を遠ざける
本機器を受信機と別の系統の電源回路に接続する
販売代理店か、経験豊富な無線・テレビ技術者に相談する
For customers in Canada (カナダにお住まいのお客様へ):
This Class B digital apparatus complies with Canadian ICES-003. 本Class Bデジタル機器は、カナダICES-003に準拠しています。
Cet appareil numérique de la classe B est conforme à la norme NMB-003 du Canada.
製品の概要
ディナウディオ LYD スピーカーのトランスデューサは、エージング後のより優れた音質を実現します。使用開始してから数時間後は特に、著しい音質の改善にお気づきになるかもしれません。また、その後何時間も使用する過程で、さらに微妙な改善にお気づきになるかもしれません。
アンプ
LYD スピーカーレンジでは D 級アンプにアナログ入力が一体化されています。すべての接続と設定は、アンプのバックプレートで行うことができます。アンプを自分で取り外さないでください。
修理が必要な場合は、ディナウディオ販売店にご連絡ください。
- 電源オン/オフスイッチ
- AC 電源入力 (100〜230 V)
- バランスアナログ入力 (XLR)
- アンバランスアナログ入力 (RCA)
- スタンバイモードスイッチ − 自動スタンバイの ON/OFF 切り替え
- 感度スイッチ − 最大入力電圧を変更
- 低域拡張スイッチ − スピーカーのカットオフ周波数を変更
- サウンドバランススイッチ − 3つのティルトフィルタ設定の間で切り替え
- ポジションスイッチ − 境界エフェクトフィルターの ON/OFF 切り替え
スピーカーの配置
ディナウディオのスピーカーの性能を最大限に引き出すには、リスニングを行う環境でのスピーカーの配置に細心の注意を払う必要があります。部屋はサウンドに著しく影響するため、壁、天井や床に対するスピーカーの位置や角度は、どのようなリスニング環境であってもきわめて重要です。
音響軸
音響軸は、スピーカーの中心点を通る仮想上の線で、スピーカーの位置決めの参考として用います。図3に示すこの点は、リスナーまでの距離と角度を測定するのに使用します。この点はツイーターの境界とウーファーまたはミッドレンジドライバーの境界の中間点にあたります。LYD 5、7 および 8 は、直接リスナーに向かって垂直に設置するように設計されています。一方の LYD 48 は、水平方向で使用するように設計されています。
部屋の境界
床、壁や天井などの部屋の各表面は、音声にとっての境界となります。部屋の境界は、それが硬材、ドライ壁、カーペットなどのどのような材質でできているかにより、特定の角度に音声を反射します。境界の非常に近くにスピーカーを配置することは避けてください。スピーカーが部屋の境界に近いほど、システムの低周波域の応答にずれが生じる可能性が高まります。スピーカーを複数の境界の近く (部屋の隅など) に配置すると、多くの場合、さらに好ましくない問題が生じます。
逆に、スピーカーを部屋の境界のちょうど中間地点に配置すると、室内の基本定在波が過度に増幅され、低音応答の信頼性が損なわれます。これはリスニングポジションについても当てはまることです。部屋に関連するそのような変異は常に存在するため、スピーカーとリスナーを適切な位置に配置することが、その影響の軽減につながります。
優れた経験則は、図4に示すように、部屋の境界間距離の¼から⅓にあたる分を離してスピーカーを配置するというものです。また、可能であればリスニングポジションが部屋のど真ん中にならないようにしてください。比較的大きな部屋では、これは小さな部屋ほど重大な問題にはなりません。
このような理想的な配置が可能でない場合もあります。スペース上の制限や部屋内のその他の機材、家具などにより、スピーカーをどう配置できるかがある程度影響されます。目的は目前の制限を勘案しつつ、最適な配置を行うことです。
リスニング距離
LYD 5、7 および 8 スピーカーは、ニアフィールドモニターとして設計されています。ニアフィールドモニターは、リスナーに比較的近い1〜2メートルの距離に配置する必要があります。LYD 48 は、ニアフィールドとミッドフィールドモニターのいずれの用途にも使用できます。理想的なリスニング距離は1.5〜2.5メートルです。
デスクトップ型スピーカー
これらのスピーカーは、リスナーのすぐ前のごく近距離の表面上に配置された場合など、様々な位置で優れた性能を発揮するよう設計されています。デスク上またはコンソール上に配置されている場合、少し上向きにしてリスナーの耳の高さに合わせると最良の結果が得られます。
スピーカースタンド
スピーカーをリスナーからより離れた作業スペース後部やコンピューター画面後部のスタンドに配置する必要がある場合は、低周波域の応答を補強するためにサブウーファーの使用をお勧めします。これにより、スピーカーシステムがスピーカーに過度の負担をかけることなく妥当な音量を実現できます。
リスニングの角度
まずスピーカーは、ドライバーが垂直方向になるように、そしてツイーターがウーファーのすぐ上に来るように配置する必要があります。このような配置により、高周波域と低周波域間で正確にタイミングが整合され、リスナーにサウンドが同時に到達します。
水平角
スピーカーは、図5に示すように、スピーカー間の角度が 60° になるように配置する必要があります。角度を測定せずにこれを達成する最も簡単な方法は、左右スピーカーとリスナーの間に正三角形を形成することです。つまり、左右スピーカー間の距離が、各スピーカーからリスナーまでの距離と同じになる必要があります。LYD 48 は、どうすれば正三角形を最善な形で達成できるかに応じて、ウーファーを内側 (推奨) にも外側にも配置することが可能です。必ずスピーカーの音響軸から測定するようにしてください。
これを簡単に行うには、巻き尺と糸を使用します。
- 最大限の応答を可能にするため、巻き尺でスピーカーが2メートル以上離れていないかどうか確認します。
- スピーカーを仮の位置に設置したら、糸の一端をスピーカーの音響軸に配置し、そこからリスニングポジションまで伸ばします。
- この位置をマーカーで印します。
- もう一方のスピーカーでもこの手順を繰り返し、両方の位置がリスナーから全く同じ距離にあるようにします。
- 糸を使って各スピーカー間の距離を計測します。これも同じ距離になる必要があります。すると左右スピーカーとリスナーの間に正三角形が形成されたことになります。
- 必要に応じて位置を調整し、リスナーと左右スピーカー間の距離がスピーカー間の距離と同じになるようにします。
垂直角
スピーカーの垂直角は、スピーカーが直接リスナーの耳のレベルに向くように設定する必要があります。スピーカーがリスナーよりも高い位置に配置されている場合は、下向きに設定する必要があります。反対に、スピーカーがリスナーの耳よりも下に配置されている場合は、図6に示すように、耳に向けて上向きに角度を設定することができます。
スピーカーの接続
電源
電源ケーブルがお住まいの地域に適合していることをご確認ください。スピーカーの電源は、入力電圧を自動的に検出し、お住まいの地域に応じて 120 V か 220 V が選択される自動切り替え方式になっています。
付属の AC ケーブルをスピーカーに、そしてプラグをコンセントに差し込みます。スピーカーの電源を入れ、背面パネルの電源 LED が点灯していることを確認して、電源が正常にオンになったことを確認します。これが確認できたら、オーディオ信号を接続する前にスピーカーの電源をオフにします。
スタンバイモード
スピーカーには、非使用中にエネルギーを節約するのに有用なスタンバイモードがあります。
オン – オンに設定すると、スピーカーは主電源が切られるまで電源が入ったままになります。
自動 – 自動に設定すると、スピーカーは非使用時に自動的に省電力モードになり、音声入力が検知されるまでアンプセクションが停止されます。
オーディオ信号
次の2つの物理的な入力方法を選択できます。
- RCA 端子アンバランス伝送
- XLR 端子バランスまたはアンバランス伝送
バランス伝送の XLR 接続は周辺のノイズとハムを低減できるためより好ましいですが、両方の接続タイプとも高質の入力信号を提供します。ミキサー、オーディオインターフェースまたはモニタコントローラの出力をスピーカー入力に接続します。
注意
オーディオ信号をスピーカーに伝送する前に感度を -6 dB に設定し、ミキサーまたはオーディオインターフェースの出力を低レベルに設定し、適切な音量になるまでオーディオ信号を徐々に上げてください。これにより、スピーカーに不慮の過負荷がかかるのを防止することができます。
音量の調節
スピーカーには入力感度を3レベルに調整できるスイッチがあります。
オーディオミキサー、インターフェースやモニタ制御システムの出力レベルに応じて、スピーカーへのゲインステージを最適に設定することができます。
- +6 dB = 0 dBu /.775 V max
- 0 dB = +6 dBu /1.5 V max
- -6 dB = +12 dBu /3.1 V max
最高出力が +20 dBu 以上のプロ仕様のインターフェースをお使いの場合は、スピーカーの設定を -6 dB にすると最適です。消費者向けまたは家庭用の出力レベル (-10 dBV の定格値) で機器を使用される場合は、+6 dB の設定がより適切です。
DSP の設定
ディナウディオのエンジニアは、特定の環境に合わせてサウンドをカスタマイズできる DSP コントローラをこれらのスピーカー用に開発するのに、多大な努力を費やしました。DSP の設定では、スピーカーを音響空間に合わせて最適化する精密な調整能力を提供しています。
低音域拡張
低周波域の再生には、高周波域の再生よりも著しく大量のエネルギーを要します。低音域拡張の設定が、スピーカーがどのくらいの音量で応答するかに影響する理由はここにあります。
最小の設定 (-10 Hz) では、低周波の音域が 10 Hz 拡張されます。これによりスピーカーが達成可能な最大音量も低減します。既定の 0 Hz の設定では、低音域が制限される一方で、スピーカーの最大音量が増加します。+10 Hz の設定では低音域の拡張は最小限ですが、スピーカーから出力可能な音量が最大になります。
- -10 Hz (最大限の低音域の拡張、-5 dB の出力)
- 0 Hz
- +10 Hz (最大限の音量、低周波帯域の拡張は最小限、+5 dB の出力)
大多数のプロ仕様のミキサーは比較的低音量 (約70〜85 dB SPL) でミックスしますが、最大限の低音拡張 (-10 Hz) を利用することができます。スピーカーに負荷をかけ過ぎないように、再生音量を高めるのに従い、低音域の拡張量を下げていく必要があるかもしれません。
サウンドバランス
ティルトフィルタとも呼ばれるサウンドバランスは、スピーカーの全体的な音調を加工するための洗練された方法です。部屋の構成やその他の要素により、スピーカーの設定を通常よりもダークなトーンまたはブライトなトーンにする必要がある場合があります。たくさんの無響処理が施された無響室の場合は、多数の反射面が設置されたライブルームよりもブライトな設定にする必要がある場合があります。
サウンドバランスには3つの設定が可能です。
- ブライト (20 Hz -1.5 dB、20 kHz +1.5 dB)
- ニュートラル
- ダーク (20 Hz +1.5 dB、20 kHz -1.5 dB)
このフィルタが実際に行うのは、最小位相フィルタまたは線形位相フィルタを用いて音響スペクトル全体を低周波か高周波のいずれかに 1.5 dB ずらすことで、全体的な応答をブライトに、またはダークにすることです。この最小位相フィルタは、可聴位相のずれを誘発せずに音色を変化させることで、スピーカーの線形性を最大限にします。
位置
スピーカーを後壁の境界から 50 cm に配置した場合、ポジションスイッチを「壁」に設定します。これは、後壁からの、特に低周波域の反射音による歪みに対処するのに有用です。スピーカーがいかなる壁の表面からも 50 cm 以上離れて配置されている場合は、「影響なし」に設定します。
リスニングテスト
スピーカーを適切に配置したら、リスニングを開始します。主観的リスニングテストは、お気に入りのアルバム、映画やその他の録音といった聴き慣れた参照用オーディオを用いて行います。客観的テストは単純なスマートフォンのアプリや、より高度の音響測定システムを用いて行うことができます。
参照用オーディオ
聴き慣れている録音されたオーディオをスピーカーで再生し、サウンドが思い描いた通りかどうかを検証します。ティルトフィルタを両方向に調節し、可能な異なる音調性を聴き取ります。音質が悪いことや録音に欠点があることが実際に既に分かっているようなサンプルを聴くことをお勧めします。真にニュートラルなスピーカーでは、このような欠点がはっきりと聴き取れます。
優れたスピーカーの目的は、良し悪しを問わず正確に再現されたサウンドを聴き、効果的なミックスの判断を可能にすることにあります。最も心地よく感じられる設定にティルトフィルタを調節します。
ピンクノイズ
スピーカーの応答の客観的な試験を行うには、測定システムが必要になります。これは、スピーカーのスペクトル出力をリアルタイムで測定できるデバイスである他、スピーカーを通じて再生できるピンクノイズの音源でもあります。
- RTA スペクトル分析計
- ピンクノイズの音源
ディナウディオでは、これらのツールが搭載された iOS アプリを作成しました。これにより、iPhone、iPad や iPod Touch を使って短時間で LYD スピーカーの試験やキャリブレーションを行うことができます。Apple App Store で “Dynaudio Meter” と入力してこの無料アプリを検索し、ダウンロードすることができます。
従来型のヘッドフォン RCA 変換アダプタを使って、デバイスを直接スピーカーに接続することができます。Dynaudio Meter からピンクノイズを再生し、再生音量を適切なレベルに調節します。コンピュータ・ワークステーションからピンクノイズを再生したい場合は、次のサイトでピンクノイズを含む WAV ファイルを入手することができます:
適切な音量レベル (約 80〜85 dBA) でピンクノイズを個別のスピーカーごとに再生し、リスニングポジションに iPhone または iPad を配置します。サウンドバランスフィルタを調整し、RTA の応答曲線にどのような変化が生じるかを確認します。ピンクノイズは周波数スペクトル全体にわたり一定のバランスになっています。RTA の表示では、読み取り値が可能な限り一定かつ平坦になっている必要があります。
低周波域でレベルが過度に上昇している場合は、サウンドバランスフィルタを「ブライト (B)」に設定し、結果を確認してみてください。スペクトル分析計で高周波域の上昇が認められる場合は、ティルトフィルタを「ダーク (D)」に設定し、結果を確認してください。
RTA の応答曲線が最も平らな状態になるようにティルトフィルタを設定したら、参照用オーディオを試聴して聴こえを確かめます。RTA を用いた客観的リスニングテストと、自分の耳を使った主観的リスニングテストによるこの手順を実施することで、ディナウディオのスピーカーの最適な設定が達成されます。
最終の微調整
スピーカーの設定以外にも、システムの応答と室内環境を改善するために追加の対策を講じることが望ましい場合があります。反射面による高周波域の変異や、ルームモード (室共鳴) による部屋内での低音域応答の乱れが発見される場合があります。
初期反射音の処理
硬表面を反射するリスニングポジションに近い音は、高周波域の応答およびスピーカーのイメージングに問題を引き起こす可能性があります。多くの場合、これらの初期反射音は簡単に是正することができます。図7は、典型的なコントロールルームにおいて初期反射音を引き起こす一般的な原因を示しています。
初期反射は、スタジオ内のさまざまな表面に鏡を配置してリスニングポジションに座り、そこから鏡の中にいずれかのスピーカーが見えるかどうかをチェックすることで、簡単に特定することができます。いずれかのスピーカーが鏡の中に映っている場合は、高周波域の音がその表面を反射し、リスニングポジションに直接到達するため、応答の問題を引き起こす可能性があることを意味します。
そのような表面に吸音材を配置すると、初期反射の影響が軽減され、システムのサウンドが改善されます。吸音材が厚いほど、その効果は高まります。また、吸音材の裏側に空間を設けることによっても効果を高めることができます。システムの応答を改善するには、初期反射点にできるだけ多くの吸音材を配置してください。
低音トラップ
リアルタイム分析周波数 (RTA 20〜250 Hz) の低周波応答曲線で何らかのピークやディップが認められる場合は、それらがルームモード (室共鳴) によって引き起こされている可能性があります。ルームモードは、波長がリスニングルームの長さの倍数と等しい特定の低周波数で発生します。
例えば、リスニングルームの長さが4メートルの場合、43 Hz は波長が約8メートルであるため、ルームモードが発生する可能性があります。すなわちこの周波数では、リスナーとスピーカーの位置によって部屋の応答が著しく変化します。部屋内のリスニングポジションによって、この周波数の音がよりよく聞こえたり、聞こえにくくなる可能性があります。モードは、部屋の長さ、幅、高さの、どの寸法からでも発生する可能性があります。その解決法は低周波音用の吸音材を最も効果的な場所に配置して、ルームモードの効果を軽減することです。
多くのメーカーは、低音トラップという吸音装置を製造していますが、これは部屋の隅やその付近にそれを配置することで、部屋内で反射される低周波エネルギーの量を抑えるためのものです。ルームモードの共鳴を低減させることで、部屋内の低周波音の応答がよりスムーズになる可能性があります。
低音トラップを配置する際には、ピンクノイズと RTA の周波数応答曲線の結果をチェックし、スピーカー応答が改善されていることを確認してください。その後お気に入りの参照用オーディオを聴いてみて、その影響を検証してください。